天香山神社

橿原市南浦町出屋敷字西山 ゼンリン


鳥居


本殿

交通案内
近鉄耳成山駅 南へ30分


祭神
櫛真知神


由緒

 式内社で、天香山坐櫛真智命神社である。
 大和三山の内、この天香久山だけが「天」の冠がついている。天から降ってきたとの伝承があったのであろう。 伊予国風土記や阿波国には、山が天から下るとき、二つに別れて片端が倭の国で天加具山となったとする伝承があった事が記されている。お国自慢と言われている。
 記紀神話での高天原の出来事の内、天岩戸から天照大神を招き出す際に、この山の木々や金を利用する話がある。日矛がつくられこれは和歌山の国縣神宮の御神体とされている。日矛は兵主神とも見られ、半島から来た天日槍ともつながる。日矛は古代日本の王権にもかかわるキイワードである。

 このような神話は天香久山は神話の時代には高天原にあったものと信じられていたので登場したのであろう。従ってこの山は大和の中でも神聖な山と考えられ、この土で作った土器で神を祀り呪詛すれば、大和を意のままにできるとの信仰があった。神武天皇の国中入りではいまくいったが、武埴安彦の戦いではうまくいかなかった。

 祭神の櫛真知神は延喜式神名帳の京中坐神三座に久慈真智命があり大和国十市郡天香山坐櫛真命神と注がついている。この神は深くうらないにかかわり、対島の卜部の神であったとの主張もある。 またこの神の元の名は「大麻等乃知神」としている。

 天香山は天香山命、高倉下命を連想させる。なぜ同じ名前なのか?天から下った山、かたや天から下った剣を手に入れた神である。
 伊弉冉神は最後に火之加具土神を生み焼死する物語がある。金属精錬、銅の流れ出す様を表した神話とされている。「カグ」に共通する言葉があり、鉱山とする説もある。

お姿
  天香山の北側の山麓に鎮座している。この山を御神体とする社であった。 天香山の頂上には国常立命神社が高神社と並び鎮座している。元来の式内社ともされている。


本殿と背後の磐座


頂上の2座 向かって右が国常立命神社


ハハカの大木



お祭り
10月10日 還幸祭、10月12日 宵宮祭

大和の神々
神奈備にようこそ