葛城二十八品 第八品



交通

南海泉佐野駅、JR日根野駅、JR熊取駅からバス犬鳴山行き

 犬鳴山七宝瀧寺の参道を約20分程犬鳴川沿いの渓谷美を楽しみながら登る。やがて、大広場に巨大な不動明王像の立っているのを目にする。身代わり不動尊である。この右側に熊野大権現の扁額を持つ鳥居と祠がある。要は神社。その右側の狭い道から燈明ケ岳への登り道が始まる。

身代わり不動尊   熊野大権現社
 

 ツヅラ折れの急な登りが始まろうとすると、早速小さい地蔵さんが出迎えてくれ、心が和む。と言っても急な坂は緩やかになる訳ではなく、徹底的に急な坂が続く。そう言えば、参道から燈明ケ岳を眺めるとまさに垂直の山のように見えた。
 このような登りが約50分ほど続いて、その間に少し大きい石の童子像がいくつか出迎えてくれる。
 頂上の手前10分程の所に七宝滝寺の奥の院があり、倶利伽羅不動明王が祀られている。

奥の院
 

 奥の院から頂上へは西に向かって登る。巨石に注連縄がなされている磐座があったりする。修験の山らしい雰囲気。この山は経塚権現山とも云われる。
 白いポールが見えて来る。「妙法蓮華経五百弟子受記品第八経塚」と書かれている。葛城第八番経塚が鎮座している。

妙法蓮華経五百弟子受記品第八経塚
 

第八経塚

 ここから西へ10分で天狗岳頂上に出る。そこにお目当ての天狗魔王尊があるはず。「西」へと真面目に考え過ぎてはいけない。谷底に落ちるかも。要は西〜西南〜南の方角に道なりに歩く。たしかに魔王尊が鎮座まします。こわそうな雰囲気だが、ジーと見ていると剽軽な感じも伝わって来る。

天狗ヶ岳魔王尊
 

 天狗岳からは、元の道を降りて七宝瀧寺に戻るのか、または更に西方へ歩き、急な坂道を犬鳴山バス停の所まで一挙に降りるのかは自由に。

和泉名所図会 巻之四 犬鳴山七宝瀧寺

 燈明嶽 当山の絶頂をいふ。西の海面を闇夜に渡海の船、方角を失ふの時、当山の不動尊を念ずる時、此峯に燈明輝くといふ。

関空


参考資料 『葛城の峰と修験の道』、『葛城回峯録』

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