葛城二十八品 第十品



牛滝山大威徳寺 大阪府岸和田市大沢町1178 its-mo


 南海岸和田駅から南海バス牛滝山行き 8時40分頃発 50分で

山門をくぐると右側に大きい自然石があり、般若心経の筒が置かれている、これが「法師品第十経塚」である。手前に役行者像がある

   山門        経塚の手前の役行者像
 

経塚 法師品第十経塚

 石段を進むと、多宝塔が現れる。永正年間(1504〜21)の建立で、国の重要文化財となっている。また塔に相対して建つ本堂はおごそかな構え。

 『和泉名所図会』には「いにしへは石蔵五山といふ。坊舎四十宇あり、本坊方は真言宗、穀屋方は天台宗」とあり、「当山は役優婆塞、開創し級ひ、蕨后(ソノノチ)、弘法大師、恵亮和尚も、経歴して中興し給ふ。いにしへは石蔵五山となづく。転法輪の嶺あり。(中略)初メ、役行者ここに来ッて、第二の滝の上に修練し、不動尊を彫刻して、これを安置す。(中略)一山に楓多し。秋の末には、紅錦を布が如し。麓より峯まで紅葉ならぬ所はなし。」
 春まっさかりの参詣であったので、楓の新緑を味わった。

多宝塔     本堂
 


 多宝塔は内部の壁板に永正十年(1513)の墨書があって、500年弱に建立されたもの。三間二層の塔婆で形式手法は良く時代の象徴を現している。相輪の覆体には天文二十年辛亥卯月吉日(1551)の刻銘がある。昭和四十六年重要文化財に指定された。なお、ここのように本堂の背面に塔婆の配置された例は非情に少ない。

 本堂の奥から渓谷の道を進むと、第一の滝が登場。

第一の滝

葛嶺雑記

 本堂、大威徳明王、大師堂なそ真言宗瀧本坊支配、其余護摩堂・不動尊・神変大士・二重塔の大日如来等は天台宗穀屋坊支配、惣門の中に経石あり。妙 法師品第十之地。
来てみれは よをうし滝の山寺に 法のともしそ くまなかりける


参考資料  『葛城の峰と修験の道』

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