葛城二十八品 紀州鳴瀧不動尊



鳴瀧不動 和歌山市園部 its-mo
 粉河加太線を通るバス停の善明寺から鳴瀧川の上流に歩く。20分強で不動尊に到着。

鳴瀧不動尊の鳥居

 鳴瀧山円明寺の開基は役行者と云われる。以後、鳴滝川の西の山手に七堂伽藍が建立されたが、天正の兵火にかかり、堂塔縁起等悉く烏有となり、後今の地に遷った。鳴瀧川の上流には各所に石垣が残っており、往年の規模を語っている。

 鳴瀧不動尊の神々
 深い渓谷と巨石と瀧で構成される。大阪泉佐野の犬鳴山不動寺のミニチュア版のような雰囲気。

金比羅大明神  大黒天神、辨財天女、毘沙門天
 

弁財天社

行者尊像

行者瀧

不動堂

ぎょうじゃさん 楠見地区善明寺 バス楠見行者堂下車 北へ100m

 バス停から100程の北側に東西に延びた丘がある。その中腹にぎょうじゃさんが鎮座。
 歩いていくと「四宿行者尊」と書かれた道案内がある。「三宿行者尊」ではないのだ。それを登る。
 法華寺の墓地の横を登り続けると鳥居が見える。そこがぎょうじゃさん。

ぎょうじゃさんの風景

行者窟と行者尊像
 

ほかに熊野大神、弁才天、住吉社、八王子社、地蔵尊の小祠が鎮座していた。

熊野大神の祠

 『紀伊続風土記』熊野権現社 境内周十六間
 村より北山行二町餘にあり 修験者の行所として葛城四之宿なり 役行者の開基といふ 毎春護摩修行あり 別当を山路坊といふ 当村に住す 

『葛嶺雑記』 嘉永三年(1850) 三浦茂樹 から

 善 明 寺  天台別当山路坊在住紀州海士郡善明寺村

 本堂千先 役行者の窟・熊野権現

 鳴 瀧 山 円 明 寺  禅宗済家 紀州名草郡園部村にあり

 不動堂まへに瀧・弁天堂、山上に金剛童子、寺中に釈迦 但し 経塚あれども本紀にみえず
 遙拝塚ならんか。

 大 福 山 本 恵 寺  日蓮宗 同国郡直川村にあり新宮本広寺末

 水野家菩提所と云々 開山神変大士 本堂先手観音・おくのいんといふ有。
 ○福集童子本地師子相、東南仏、紀泉国界大福山に鎮座し給ふ。
此尊号は、仏の教示によって、信男信女の、果福といふの義 また所名は大千界恒沙の衆振生に、あまねく大福祥禎を得さしめ給わんとの意。
○ たのもしな福集守りつかかるよをおほふく山となさむちかひそ
 右の本堂より東にて、落合村より丑寅にはかの谷といふ所に塚。
 妙 譬喩品第三之地
 あさきりの大福山のおくまても経塚たてし人のたのもし  

 


参考資料  『葛城の峰と修験の道』、『葛嶺雑記』、『葛嶺回峯録』  

葛城二十八宿

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