当宗神社(まさむね)
誉田八幡宮(こんだ)

羽曳野市誉田3-2-8 伝応神陵南側(後円側)

交通案内
近鉄古市駅 北700m its-mo


祭神
当宗神社
 当宗忌寸の祖の山陽公(神社明細帳)
 仲津媛命(河内国式神私考)

誉田八幡宮
 廣幡八幡皇大神
 帶中彦命、息長足姫命、住吉大神、八后神彦

摂社
当宗神社は誉田八幡宮の摂社となっている。

当宗神社




当宗神社の由緒
 式内社。『日本の神々3』によれば、当地は景行天皇の皇子で成務天皇の弟である五百城入彦命一族の土地であるとともに、五世紀頃の楽浪郡からの渡来人である当宗直一族の居住地であったとしている。
 先住者としてはかたや実在の不確かな氏族である所が面白い。
 かたや天武天皇の八種の姓で当宗忌寸となり、『新撰姓氏録』にも河内国諸蕃にも記載されている実在の氏族である。尤も後漢のけ献帝四世孫、山陽公の後也とあるのは眉唾だろう。

 当宗神社の創建の由緒は判然としない。天皇外祖の氏神なり、と記載の古文書があるそうだ。平安中期の宇多天皇の外祖母である。
系譜
桓武天皇ー仲野親王(妃:当宗氏)ー斑子女王(光孝天皇妃)ー宇多天皇

誉田八幡宮の鳥居と拝殿



放生橋と伝応神陵



誉田八幡宮の由緒
 鎌倉末期建造の放生橋が現存する。例祭の神輿渡御神事には後円部の祭祀場へこの橋を渡る。
 地名の誉田は息長誉田真若王のから仲津媛へ継承された古代氏族の旧地と『日本の神々3』で古田実氏は述べておられる。
 社伝によれば欽明天皇が新羅に滅ぼされた任那の再興を祈念して、後円部頂上に小社殿を造営したのを創始としている。八幡社の多くは欽明天皇の時代の創建と伝えられているが、平安中期の永承六年(1051年)前九年の役の早期平定を祈念して現在地に社殿を新築したのを始まりとしている。
 応神八幡社が全国的に祀られるのはこの時期以降であり、源氏の守護神として鎌倉時代の勧請に続く。



お姿
 狭い参道からは想像できない広々とした境内で、よく整美された雰囲気が漂う。またやたらに朱色を使っていないのは好感が持てる。
 古来の日本は水銀朱などがあったが、大半は木草の色もしくは生の色であったが、密教など仏教系の青など彩度の高い色にあこがれた時期があった。高度な技術文明を想起させたのである。

誉田八幡宮の本殿 入母屋本瓦葺
慶長十一年(1606年)豊臣秀頼の再建未完を徳川家が寛永年間(1624年ー)初期に着工





お祭り
 秋季例大祭  9月14、15日

平成祭礼データ 誉田八幡宮

 縁起と信仰
当宮の縁起については「誉田宗I縁起」に詳しく記されていますが、この縁起絵巻は 足利義教が当宮へ参拝の際に旧い縁起を補遺して、新図をつくり奉納したものであり ます。さて縁起は、まず応神天皇御陵の創草に記事からはじまります。天皇が崩御さ れたことを伝え聞いた人々は、鋤鍬を荷って雲霞のように集って御陵を築きました。
これが応神陵であります。ところが或る日竜馬が現われて、その歩いた蹄の跡をもっ て境界としました。
次いで誉田八幡宮建立の由来にうつり欽明天皇お勅願によって御陵前に社殿を建立し 、八幡大菩薩を勧請しました。そのとき天皇は参籠されたが、夜中に八幡大菩薩が出 現し、奇端のことがあったので天皇はいよいよ深く信仰になり、この日、二月十五日 を吉例とし、歴代天皇は一代に一度は誉田八幡宮に行幸すべきことを定められました。
続いて聖徳太子参籠のこと、弘法大師参籠のこと、行基の参籠、菅原道真の参籠など 、創草期における霊現、奇持のことが綴られています。そして記録的な記事にうつり 、後冷泉院のとき社殿を南へ一丁ばかり移転し、新たに社殿を造営されたこと、永承 六年十五日後冷泉院の行幸、治歴二年三月二十八日社殿が鳴動し光を発する異変があ り、それ以来朝廷では御占の神事が行われることになったことや、当宮ゆかりの神鳩 の故事、社紋の巴紋について述べています。以上が縁起の詞書のあらましですが、お そらく八幡信仰がさかんになった結果、応神天皇ゆかりの地に社殿が建立されたと考 えられます。十一世紀になると、南河内で源氏によって武士団が結成され、一〇五一 年前九年の役に源頼義、義家父子は陸奥国に出兵しますが、これと同じ年に「縁起」 には誉田社殿の移転改修(現在の位置)と後冷泉院の行幸のことを伝えています。当 時世間では神仏の習合という思想が発達して、神社にはさかんに神宮寺が建てられる ようになり、誉田八幡宮にも護国寺という神宮寺が生れました。やがて源氏の氏神が 八幡であるという信仰がひろまると、誉田八幡宮は将軍家をはじめ源氏を名のる武士 たちの信仰をうけるようになりました。
以上
(注)文中のIは、「广」垂れに「苗」です。



河内名所図会 應神天皇陵と當宗神社



  日本の神々3(古田実)白水社

公式誉田八幡宮
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