常世岐姫神社(八王子神社)
八尾市神宮寺5 ゼンリン

交通 近鉄大阪線恩智駅 東500mで国道170号線、これを南へ800。山側へ少し。



祭神

常世岐姫命

由緒

トコヨキヒメノ、ツネヨコヒメノなどの訓がある。式内社。
 『新撰姓氏録』河内国諸蛮に「常世連 燕国王公孫淵之後也」とある。この真偽のほどは不明だが、渡来系の常世連は存在し、ここ河内に本拠を置いていたようだ。 常世連は元々赤染造であり、壬申の乱では大海人皇子に見方をした赤染造徳足がいる。功あり常世連となった。

 赤染造の「赤染」は染色工芸技術を持つと言われている。
 赤染氏については、豊前国の香春神社の祭祀を司った氏族で、宇佐八幡宮の創建にも関わっており、宇佐神宮の道士に道鏡を奉納じたのは香春の新羅系氏族の赤染氏であり、その斎祀る神は辛國息長大姫大目命であったとされている。 単に染色技術だけではなく、精銅技術にも通じていた氏族であったようである。

 また赤染氏は八世紀に常世連に改姓されているが、この常世神の信仰のエピソードが秦氏に関係するのである。『日本書紀』の皇極天皇三年(644年)東国の富士川周辺に住んでいた大生部多と云う者が蚕に似た虫を常世の神として信仰を広め、これを秦河勝が懲らしめたと云う。染色と精銅、どうやら秦氏の系統であった。

 『河内名所図会』にも、「今、八王子と称する」とある。現在も地元では八王子神社と呼んでいる。
 社殿は若干東に振っているようだがほとんど北向きである。 北を向くと恩智神社旧地から生駒山方面である。

 7月23日 夏祭  10月23日 秋祭

 大阪府神社史料、式内社調査報告


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