大阪市西区の土佐稲荷神社
西区北堀江 its-mo


祭神 宇賀御魂大神

由緒

  主祭神は宇賀御魂大神である。宇賀は食の意を有し一切の食糧を司り給い、殊に其の根元たる稲穀の生産豊饒を守護される神である。然して国の発展に伴い農産守護神として農家大切の神に坐すばかりではなくすべての生成産業、殖産興業活動の御霊の神として、全国的に尊崇せられた。

それをイナリと云うのは稲生の義であり、古くは生・成・産・業の字は「記紀」などみなナリと訓んでいる。 起源及び創建は詳かではないが、長堀川(現在の長堀通)鰹座橋の橋畔なる土佐藩蔵屋敷に古くより鎮座したが、享保年間(一七一〇年)、藩主山内豊隆の崇敬するところとなり、同蔵屋敷の鎮守神として崇められるに至った。爾来、山内家は参勤の途路には必ず立寄り敬意を表し、その後の造営修復は何れも藩費を以て奉納した。

 明治初年、土佐藩少参事岩崎弥太郎の所有する処となり、母美和と共に稲荷社を尊崇し、維新後この地に於いて、事業を営み、三菱発祥の地となる。その後資を投じ社殿の造替をするに及んで神社の荘厳を加え郷社に列し、広く「土佐いなり」の呼称にて衆庶の崇敬する神社となる。

 境内には八代目藩主、山内豊敷寄進の石灯篭一対が、東参道にある。(寛保元年五月 吉日、土佐国王、従四位下侍従藤原豊敷の銘がある。) 土佐藩蔵屋敷跡、即ち岩崎邸跡は神社の東、現在の楠コーポの場所で樹齢四百年の楠 が保存樹として現存し、その下に碑がある。
 本殿前には岩崎弥之助(弥太郎の弟、二代目三菱社長)寄進による青銅狛犬一対があ る。(明治二十六年二月、正四位、岩崎弥之助の銘文がある。)

 3月30日 春季例祭

 10月12日 秋季大祭


稲荷神社

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