『和歌山県神社誌』
舩津八幡神社
〒 649−62 那賀郡岩出町岡田四六番地
JR和歌山線岩出駅下車旧国道東ヘ七〇〇m
問い合せ先 пZ七三六−
祭神(主祭神)誉田別命
(配祀神) 手置帆負命 天忍穂耳命 天照皇大神
素盞嗚尊 市杵嶋姫命 菅原道真 菊理姫命
境内社 末社 大将軍 蛭子
例祭日 十月六日
宮司 三浦一起
禰宜 三浦美智子
主たる建造物
本殿 (木造 銅瓦葺 流造 三〇平方米)
庁舎 (木造 瓦葺入母屋造 四八平方米)
鳥居 (石造 明神鳥居)
境内地 四〇五五平方米
氏子地域 岩出町大字岡由
氏子戸数 一二〇戸
崇敬者数 一五〇人
由緒
当神社は、通称岡田の宮と言い、旧岡田村の産土神である。天正年間根来寺の戦禍により、旧記など共に
焼失した為、由緒は不詳であるが、いい伝えによると、御祭神船津八幡大神は鎌倉より流れ釆て、この地にとど
まったと言われ、古には回廊・舞台・篭堂・宝蔵・御供所を備えて社領も十七町あった。焼失後本殿、庁舎などは、その後の建立奉加によるものである。
前には春日川が流れ、荘厳なる鎮守の森の中に静かに鎮座している。
(社叢) 春日川のほとり竹林の中、参道横には子供達の遊び場があり、憩の場として親しまれている。また竹は、のぼりや飾り、清掃具にいたるまで利用されている。
(祭儀) 例祭は現在十月六日に行なわれ、午前中祭典、子供みこしの祓の後、みこしの行列を組み地域を廻る。午後より行列が神社に戻り子供たちが集まる中、投餅の儀が行をわれる。
祇園火燈祭は七月七日より十四日まで。期間中、夜子供たちが神社に集まり次々と提灯にろうそくの火を入れ、境内に吊していく夏の素朴を祭である。
講祭(おとう)は宮講のお祭りで、毎年一月十五日に行われる。
講員の中で家を継ぐ者が十二〜三歳になると”おとうをくぐ(継ぐ)儀式”として報告祭をし、古くより伝わる黒箱を開け記帳する。黒箱はこの時のみ開けられ、記帳を確認後すぐ封印をし、大切に保管される。
この時の神前には、古からの習わしにより鰹の焼いたもの、こんにゃくにごぼうを串刺しにしたもの等が供えられ、細部にわたるしきたりの中厳粛に行をわれる。
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