熊野古道中辺路、和歌山県の王子社
大門王子

田辺市中辺路町高原707ノ2 地図


大門王子の祠



 高原熊野神社を過ぎると見晴らしの良い場所にトイレ付きの休憩所がある。
 ここから山道に入る。民家がないので、牛馬童子のバス停までは連絡はできない。

 大門の名は熊野本宮大社の鳥居があることによったと云われている。近世の文献では、享保七年(1722)に出版された『熊野道中記』に、「大門王子、高原坂にかかる道の右」とある。

 跡地には、石碑がたっている。紀州らしく緑泥片岩。


大門王子の石碑

 藤原宗忠は天仁二年(1109)にこの付近の水飲の仮屋にで宿泊しており、建仁元年(1201)に参詣した藤原定家もこの付近の山中で宿泊している。

 松の大木がそびえていたのが枯れてしまい、その後朱塗りの社殿が建ち、付近の気色は一変したと云う。


紀伊続風土記 巻之七十三 牟婁郡 栗栖川荘 高原村

○熊野権現社  境内周百十六間
 本社   拝殿
 村の西街道にあり、一村の産土神なり 応永九年()本宮より勧請すといふ 応永天文天正等の棟札あり 森に大樹数株あり

○大門王子  社地周十六間 東十余町 街道の傍らにあり石碑ありて社なし
 



熊野神社
田辺市中辺路町高原1120 
its-mo

鳥居と本殿



祭神 速玉大神 配祀 大山祇神、素盞嗚神、地主神、稲荷神、金刀比羅神

由緒 社伝によると、応永九年(1402)、熊野本宮からの勧請と云う。社蔵の御正体銘は応永十年(1403)の勧請と云う。
 本殿は県指定文化財。

本殿

祭礼 10月10日 例祭 神事終了後賑やかに投げ餅を以て祭典を終了する。

神木の楠木と社殿



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