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気吹雷響雷吉野大国栖御魂神社について、以前記事がありましたので、 関連する情報かと考えまして、投稿させて頂きます。
土佐国式社考の朝倉神社の項に興味深い記載があります。
(釋日本紀 卷第十四) 土左の國の風土記に曰はく、土左の郡。朝倉の郷あり。郷の中に社あり。~のみ名は 天津羽羽(あまつはは)の~なり。天石帆別(あまのいはほわけ)の~、天石門別(あま のいはとわけ)の~のみ子なり。これは、土佐の天石門別安國玉主天神の子であるとしています。
度会氏の伝によると朝倉神社の祭神である天津羽羽の「はは」は奈良県五條市西吉野町の波宝神社の「波宝」の音に通じ、波宝神社は吉野国栖の祖神を祀るといわれ、これは天津羽羽命であろうと記述があります。
(姓氏録大和神別に、吉野国栖の祖神とは、神武天皇の東征途上,菟田(うだ)(奈良県宇陀(うだ)郡)から吉野へすすんだとき,岩をおしわけてでてきた神で、尾があったといい、石穂押別之子とあります。)
(宝の音については・・・ 乗鞍岳には、異名があり「愛寶山」と言います。読みは「あはさん」といい、 三代実録・貞観十五年(873年)の記載に、 二十八日癸亥飛騨の国司言大野郡愛寶山貞観十三年十一月十八日、十四年十一月 十二日、今月十五日三度紫雲見 とあり、これは乗鞍岳こと愛寶山で紫雲を見たと記載しています。 和名抄によると、飛騨国大野郡阿排(あは)郷の愛寶(あは)山ということになります。)
また、安房忌部氏の系図によると、天石門別神を天手力男命のことだとしています。 すなわち、吉野国栖の祖神とは天手力男命の子、天津羽羽命であり波宝神社の祭神ではないかと言えます。
奈良県高市郡には天津石門別神社と気吹雷響雷吉野大国栖御魂神社があり、
土佐と同じく親子を祀っているとしています。
和州五郡神社神名帳大略注解によると、気吹雷響雷吉野大国栖御魂神とは 気吹戸主あるいは磐穂押別神之子でもあるとしていますが、元々気吹雷響雷吉野大国栖御魂神社には 2座神様が鎮座している筈で、この2神が天津羽羽命ともう一柱どの神様なのか調査をしております。 天手力男命でしょうか・・
奈良県高市郡には、天津羽羽命の夫神である事代主尊が祀られている神社が多く、 天津羽羽命が祀られていることは、違和感がありません。
この神様を祀った神社に、和歌山県和歌山市鷺の森明神丁22の朝椋神社があります。(この祭神は紀伊続風土記附録による記載です。)
さらに静岡県掛川市初馬にある阿波波神社、神津島の阿波命神社、静岡県沼津市長浜神社などがあり、 神津島の言い伝えでは、天津羽羽命は三島大神(事代主命)の本后とそています。 天津羽羽命と事代主命は阿波と出雲の結びつきを表しているようで興味深いです。
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