鴨習太神社(かもならいた)
大阪府河内郡河南町大字神山

鳥居



交通 近鉄富田林駅から金剛山ロープウエイ行きバス神山[こやま]下車 its-mo



祭神 饒速日命、天照地照彦火明命、櫛玉命 配 高皇産靈尊
『河内国式神私考』大田田根子命 神社名は鴨氏の神を伝えているようだ。

 主神は全て饒速日命の別名。
 高皇産靈尊は萬治三年合祀(1660)
 境内には一言主社「一言主神」、神明社「天照大神」、御魂社「八百萬神」、琴平社「大物主命」、聖天社「大聖歓喜自在天」が鎮座。石段左手に荒神と水神の石神が祀られている。

拝殿



由緒 河内国石川郡の延喜式神名帳の大社である。
 往古は神社と部族の結びつきは密接であり、集落は神社を中心に構成されていた。この社は名前のみが残って廃絶していたそうであるが、明治になってから復興された。この辺りは物部氏の「岩船信仰」の地域であり、勢力圏であり、祭神を饒速日命としたものである。

本殿


 なお、葛城の高鴨神社ゆかりの方からは次のようなコメントを頂いた。
 この地は日本書紀に下照媛尊が味鋤高彦尊を詠った≪石川片淵≫の遺跡であり、神前で拍手をすると、遠く葛城山・金剛山の方面から明確な反響音(カンナリ現象)がするので、味鋤高彦尊をはじめ、賀茂族の神霊を祭神とすることは間違いない。

 下照媛 天[あめ]なるや 弟織女[おとたなばた]の 頸[うな]がせなる 玉の御統[みすまる]の 穴玉はや み谷 二渡らす 味耜高彦根
 答えて 天離[あまさか]る 夷[ひな]つ女[め]の い渡らす迫門[せと] 石川片淵[いしかわかたふち] 片淵に 網張り渡し 目ろ寄しに 寄し寄り来[こ]ね 石川片淵

お姿
 神山と呼ばれる千早川の流れや河南町一帯、その向こうは葛城山系が見渡せる小山に鎮座、裏はミカン畑である。真冬であったが照葉樹が匂い立つようだ。樫や楠木の多い神社。

荒神




 秋の例祭は10月の第三日曜日



『平成祭礼データ』から 

 式内社「鴨習太神社」、延喜式に見える古社である。祭神は饒速日命、明治の始めまでは天満宮と呼んで、菅原道真公を祀っていたようである。境内の五重塔は鎌倉期の作。
 以上

H24.12.4 改訂

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