 丹生神社
伊都郡かつらぎ町宮本１ its-mo
交通案内
和歌山線笠田駅 南へ徒歩３０分 東へ３０分 南へ６０分登る。集落の南西奥。
祭神
丹生都比賣神、狩場大明神 合 高野御子神、市杵嶋姫神
摂社 高野神社、厳島神社、百合野神社、狩場大明神
本殿
由緒
勧請年月日は不詳。明治維新に至るまで高野山地頭の信仰篤く、年々祭祀料、米10石を寄進せられその他、臨時の営繕には特に米弊を寄せられる例多かったと言う。
神功皇后三韓征伐の時、特に祈願あり神賽として和泉の国、葛城の地を神地として寄せ給ふと言い伝えられている。毎年６月８日神楽を奏し、神湯を献じ葛城、高野先達等、来拝して崇厳を極めたと言われる。
境内社として高野神社、厳島神社、百合野神社、敷島神社がある。教良寺に狩場大明神と言う飛地社がある。
神主を置かない。かっては１０人衆と言う組織が司っていたが、徐々に減って行き、現在は５人衆になっているそうだ。
弘法大師空海が高野に登る際、白黒２匹の犬を卒いて先導したのが狩場明神とされる。三野国牟毛津の末裔蔵吉人を丹生都比売神社に勤仕していたが、その子孫がこの地に住み狩猟を事としていた。
この地でなくなり、弘法大師が狩場明神の名を贈ったとされる。山上の百合野神社が墓所と伝わる。
狩場明神は、当時の高野、天野一帯の豪族の頭領であったと見ていい。 祖先の蔵吉人は応神天皇の時代に渡来した阿智使主に帯同してきたとされる。阿智使主は東漢氏の祖と見なされこの一族の中の坂上氏が後にこの一帯を押さえていたようだから、狩場明神は地主神として祀られたのであろう。
この辺りから、本来の地主神である高野明神と同一視されてきたのであろうか。
かつらぎの神奈備 写真中央 （笠田駅から）
お姿
遠目からでの宮本の神奈備山が見える。紀の川上流の山々の中ではお姿がいい。狩場明神を祀った由縁であろう。この宮本の丹生神社から紀の川流域の背山妹山までよく見える。
本殿が二社並んでいるが、その間に小祠がある。中央に鎮座してるこの小祠の意味は地元の人に聞いても判らなかった。
神社の右手の道を少し登ると右下に市杵嶋姫神を祀る摂社、左上に狩場明神の墓とされる百合野神社がある。この摂社の上を道が囲ってしまっている。神秘的な雰囲気は失われている。
百合野神社
お祭り
１０月１６日 １日間 例大祭
紀伊国名所図会 狩塲明神社と百合野社
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紀伊續風土記 巻之四十七 三谷荘 皮張村から
○丹生狩塲明神社 境内周四町十四間
本社二社 各方五尺
摂 社 祀神十二王子 末 社 若宮
御 供 所 廳 舞臺
修正會堂 本尊阿弥陀佛
薬師堂 般若經藏
村中にあり 高野山より御供料一斗五升を寄附す 平沼田村教良寺村山崎村は皆當社より分ちしといふ
高野先達の行所あり 祭礼九月二十四日 境内修正會堂薬師堂般若經藏は村支配なり 神主は天野社神主丹生氏兼帯す 當社の南二町許百合野明神の祠あり
狩塲明神を葬る處といふ 又村中皮張石あり 狩塲明神猪鹿の皮を此石に張し所なりといふ 亦狩塲明神の像なりとて青 を著袴を著けて白黒の二犬を牽きし形を画く
又高野明神の像なりとて束帯して坐し丹生明神と相對する画像を高野山寺院ことに蔵む
景行天皇の御時三野国牟毛津といふあり古事記に出たり
応神天皇丹生神社に神地を寄給ひし時其牟毛津君の末裔に蔵吉人といふ人を天野神主系図に出たり犬飼として同く丹生神社に寄奉へり 是に依りて其子孫世々此地に住して狩猟を事とせしに大師高野山を尋求むるの時其子孫の人白黒二匹の犬を牽て大師に道に逢ひ高野山を饗導せしなり
青を著白黒の二犬を牽しは此人の像なり 後此人死して今の百合野に葬る 大師に功ある人なるを以て里人祀りて神とす
狩猟をなしヽ人なるを以て狩塲明神と名つく 又土人の傳へにいふ百合野の神五月三日を以て没す故に今に此日を以て此神の忌日として祭をなすといふ
然れは高野明神狩塲明神は別の神にして狩塲は大師の時の人なり 高野明神は神世より高野に鎮り坐る神にて同神にあらす 後世大師の高野に至るを神霊にせんと欲す故に高野明神仮に猟者の形と現して大師を導きしなりといひて遂に高野狩塲を合せて一とす
今に至りて其誤を受けて大に信を亂る辨せずばあるへからす 皮張村長いふ 狩塲明神の没する時大師引導して百合野に葬れり 此説信を得たるなるへし
皮張石等の説虚誕にあらし 亦門氏の記に狩塲明神は天野末社の随一なりといふ 亦証とすへし 神職天野社神職丹生氏兼帯す
○百合野神社 境内周四十八間
村の巽 明神の南登ること二町許にあり 狩塲明神の廟所といふ
故に奥の院の名あり 五月三日を以て没せり 因りて此日を縁日とす 相傳ふ 古此地百合草能生ひ茂れり 依りて名とす
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古代史街道 紀の国編
丹生都比売伝承
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