現人神社 あらひと
豊前 田川 福岡県田川郡香春町大字採銅所 ゼンリン



交通
日田彦山線 採銅所駅 線路を北へ300m戻り、左に折れて道なり5分


祭神
都怒我阿羅斯等

由緒
 三ノ岳の麓の彩銅所に鎮座する。
 祭神は天日鉾とも呼ばれ、また都怒我阿羅斯等とも呼ばれた、この新羅からの渡来系金属精錬集団の齋祀る神であり、彼らの足跡がここ香春に現人神社として残る。
 更に、国東半島の東に姫島があり、天日鉾の妻とされる比賣許曾神が祭られている。豊の国と日鉾集団の生々しい足跡である。 これは、この金属精錬集団が筑紫は伊都國辺りから豊の国を通過し、豊穣の海である瀬戸内海への拠点を設けているようにも見える。 この集団は漢氏より遅れ来た秦氏の集団に相当する。

 さて、福岡県筑紫郡那珂川町にも同名の神社が鎮座しており、祭神は住吉三神である。 筑紫の住吉神社の発祥の神社との説がある。
 その那珂川町の神社の由緒によれば神功皇后の軍の軍船の舳先に御代を現し玄海の逆巻く波風を鎮め、玉体を護り進路を導き無事凱旋せしめた神である。 すなわち現人神の御鎮座の地を皇后自から神告にてお知りになりいたく畏み奉られ、武内宿禰をして当地に遺し当宮の水田に水を引き、五穀豊穣の誠を捧げられ、現人明神の尊号を授けたと云う、現人神社の名称の起原である。これが那珂川の明神の由緒である。
 双方の現人神社は天日鉾ー神功皇后ー住吉神との関連を示す重要な生きている遺跡と言えよう。尤も、天日鉾が浪速方面へ展開しようとして、これを遮ったのが住吉神とも伝わる。 筑紫の住吉神と浪速の住吉神は本来違う神であろうか。

 豊の国、天日鉾、住吉神 ここらが、我が国の古代の形成に大きい役割と謎を残したようだ。

 

たたずまい
 現人神社と鳥居に誇らしげに掲げられている。宮司は鶴賀さんである。
 この辺からは、香春岳の第三岳しか見えないし、さほど特長的ではない。第三岳の北側がら香春岳への登り道があるそうだが、許可が要るそうである。 穴や崖が多く、山中で捻挫など、経験者は語っている。

社殿


全景




お祭り
10月 日 1日間 第2日曜日 秋祭(おくんち)

日本の神々1 田村園澄氏(白水社)

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