Uga 縄文時代からの基層文化

1.MOTTAINAI」
 縄文時代の土器などに再利用の痕跡が多く見つかっています。
 環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、ワンガリ・マータイさん。
 マータイさんが、2005年の来日の際に感銘を受けたのが「もったいない」という日本語でした。
Reduce(ゴミ削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源化)+Respect = もったいない
 環境活動の3Rをたった一言で表せるだけでなく、かけがえのない地球資源に対する Respect(尊敬の念)が込められている言葉、「もったいない」。
 この考え方は、日本では、古代からしみついた文化であると言える。
 日本から生まれた「もったいない」が今、世界をつなげるアイコトバ、「MOTTAINAI」へ。


2. 東近江市の下羽田遺跡
 一万年前の縄文時代草創期の狩人が落とした有舌尖頭器をたまたま1万年後の縄文時代の終わり頃の人が見つけたのです。そして、石器の左右を折り、自分たちが使いやすい大きさの削器へと再加工したのです。

有舌尖頭器
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3. 新潟県津南町八反田遺跡
 縄文時代中期、八反田遺跡12号住居の複式炉(A)、埋設土器(B)、埋め甕(C)である。
 物を煮炊きする道具である深鉢が、それぞれ石囲い炉の燠の入れ物、何かの入れ物、再生を願う胎盤など出産に関わる物の入れ物に転用されている。

複式炉(A)、埋設土器(B)、埋め甕(C


4.千葉県市川市にある縄文時代の貝塚
 市川市内では、中期後半の貝塚を中心に土器を再利用した漁撈用の土錘が出土します。中期後半の向台貝塚からは、破損または破壊した土器をさらに打ち欠き、楕円形になるように形を整え、場合によっては破断面を研磨し、長軸方向の 2 ヶ所に紐掛け用の溝を刻んだ土錘(第 1 図)が約 700 点出土しています。
 中期後半の竪穴建物跡からは、しばしば床面の中央部付近から下半部を打ち欠かれた 1 個体分の縄文土器が埋設された状態で出土し、土器の内部に焼土や灰が見られることから「埋甕炉」と呼ばれています。
 第 2 図に今島田貝塚の埋甕炉を 2 例あげました。1 は、波状口縁を呈する阿玉台式の深鉢を再利用したものですが、高低差の大きい波状口縁が嫌われたために、口縁部を下にした状態で炉体に使用されていました。2 は、加曾利 EI式の深鉢を再利用したもので、口縁部を上にした状態で炉体に使用されています。埋甕炉としては最もポピュラーなものです。



参考サイト
縄文人の落とし物を1万年後の縄文人がリサイクルした
転用の考古学
縄文貝塚に見るモノの再利用

ウガ史話

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