神奈備の物理雑談 2

木星の衛星 ハビタブルゾ−ン
   惑星が太陽との距離の関係で、日本語で生命居住可能領域のことをいいます。太陽系の惑星では唯一地球のみが該当します。34億年前の火星は火山噴火などでハビタブルでした。
 また、木星の衛星のエウロパがハビタブルです。これは勿論太陽の熱ではなく、木星のまわりを回るときの潮汐力によってエウロパそのものが変形するほどの力がかかり、そのときの摩擦によって熱が発生する、というものです。
 太陽系の天体の中で最も滑らかな表面を持っていなす。表面が若く滑らかであることから、地下には水の海 (内部海) が存在するという仮説が提唱されています。生命の可能性はありそうです。
 月とよく似た大きさです。比較的明るく1610年にガリレオ・ガリレイによって発見され、ギリシア神話のゼウスが恋に落ちたテュロスの王女エウローペーにちなんで名づけられました。

「はやぶさ2」が地球帰還
「はやぶさ2」が地球帰還に向けて第2期のイオンエンジン運転を開始した。9月まで運転が行われ、11〜12月に地球に帰還する予定だ。
 昨年11月13日に小惑星リュウグウを出発した探査機「はやぶさ2」は、同12月3日から今年2月20日まで第1期のイオンエンジン運転を行ってリュウグウから離れる軌道に移った。
 9月まで第2期イオンエンジン運転を行い、その後はスラスターでの精密誘導を経て11〜12月に地球に到達する。この運転は9月まで続けられる予定で、これによって「はやぶさ2」は最終的に地球にカプセルを投下できる軌道に入る。10月以降は化学エンジン(スラスター)を使った精密誘導が行われ、11〜12月に地球に到達する。

リング
 木星は土星を見て自分にもリングが欲しいと思っていましたが、薄い3つのリングがあることがわかりました。木星が地球に小惑星などを投げつけてくると言われますが、また地球の恐竜を絶滅させるような大きい隕石をここ10年で5個も防いで引っ張り込んでくれています。地球にとってかけがえのない木星です。
 木星は強烈な放射線を出しており、探査船が近づけば壊れてしまうので、遠い所からしか観測できません。従って詳細をなかなか探査できません。
 木星の写真をご覧になったことがおありでしょう。横縞模様があります。これは緯度によって東風、西風と交互に吹いており、それが見えているのです。
 関ヶ原の頃活躍したガリレオガリレイは自作の望遠鏡で木星の衛星を4つ発見しました。文献では、古代中国の天文学者の甘徳が紀元前362年に肉眼で木星の衛星を観察したされています。昔は視力が桁違いに良かったのでしょう。

地球の重さ
 地球の地下から湧いてくるヘリュームガスは軽いので毎年10万トンほど宇宙に漏れ出しています。
 逆に約5万トンの流れ星が地球に降り注いでいます。差し引き5万トンづつ軽くなっています。
 それでは、地球はなくなってしまうかと言うと、減少分は毎年10京分の1ですから、その前に太陽の光が強くなって10億年後には熱くなって住めなくなるので、人類が地球上にいる間は大丈夫です。
地球をブラックホールにすると、半径1cmの球になります。手の上に載せようとしたら、手から全身が吸い込まれます。要注意です。

 最近時々思うのです。コロナウイルスはまさしく私を殺すためにやって来たと思うのです。気管支や肺が弱い、脳血栓の前歴があり、高血圧、高脂血症であること、先ず感染し発病すれば喜寿のこの身は耐えきれません。
 亡くなって焼場に置かれて焼かれる際、炎が四方から来るのでしょう。棺桶の中は熱くなります。エネルギーが満ちます。この時空間だけが飛び出します。魂も一緒にです。お骨は残るのでしょう。
 いざ、大宇宙へ乗り出すのです。!!宙へ

宇宙初期の予想外の巨大炭素ガス雲
 日本が建設した南米チリの標高5000mの高地で宇宙に挑む電波望遠鏡ALMA(アルマ)で観測した18個の銀河の炭素ガスのデータを重ね合わせ(赤色で表示)、ハッブル宇宙望遠鏡による銀河の星の分布画像(青色で表示)と合成した画像。
 画像全体の視野は7万光年×7万光年です。炭素ガスが星の分布よりも大きく外側まで広がっていることがわかります。
 宇宙誕生後およそ10億年の時代にある銀河の周囲に、半径約3万光年におよぶ巨大な炭素ガス雲があることを世界で初めて発見しました。
 炭素は、宇宙がビッグバンによって誕生した時には存在しておらず、星の中の核融合反応によって作られ、星の最期である超新星爆発によって星の外に放出されたものです。

愛と喜びの彗星
2007年に、ラヴジョイ彗星が発見され、2011年のクリスマスに南半球で良く見えました。
NASAとパリ天文台は噴出するガスを観測し、ここにアルコールと糖分が含まれていることを発見しました。液体に換算すると、地球の人全員が飲める量でした。最盛期には一秒間でビール瓶1500本のアルコールと糖分を噴出していました。
まさに、 愛と喜びの言う名の通りでした。

四季を持つ惑星
地球から16光年の位置に「グリーゼ832c」と言う惑星があります。地球の5.4倍の重さがあります。太陽にあたるグリーゼ832から受けるエネルギーは地球が太陽から受けるエネルギーとほぼ同じで、大気を持ち地球とほぼ同じ気温だと思われています。「ハビタブルゾーン」(生命居住可能領域)にある惑星ですから、液体の水があるかも知れません。わくわくしますね。
https://matome.naver.jp/odai/2150865834791520301

ダークマター
   銀河は星雲とも言われます。我々は天の川銀河の中にいます。この銀河のお隣にアンドロメダ銀河があります。この銀河の星々の回転速度を調べると、中心から近くても遠くても同じ速度で動いていることがわかりました。これは星々の重さだけでは説明できない現象です。遠いほど遅くなるのは遠心力で飛び出さないために普通だからです。同じ速度で回転するのは、星々の重量を凌駕する目に見えない重力があって、同じ速度にしているからです。星の重さの数倍の重さのダークマターが存在しなければありえないことなのです。

ダークマタ2
 ところが、地球から6500万光年の彼方にある銀河を詳細に観測したところ、かなり小さな速度で運動していることを判りました。この速度からこの銀河の重さを計算すると、太陽の約3億4000万倍と計算できました。一方、この銀河の明るさから見積もった重さは、太陽の約2億倍という結果になりました。大きい差があると思われますが、遠方の銀河の推測ですから、許容範囲です。ようするにダークマターが極端に少ない銀河が発見されたということです。

キュウリカエル
  とある料理人の作です。料理も本当においしかった。

ひも理論 次元の話
  ひも理論は9次元の空間プラス時間を想定しています。
 普通の線―綱渡りのロープを考えますと、渡っている人は前後にしか動けません。この状態を一次元と言います。この綱の上に蟻がいたら、ロープを一回転できます。前後と回転で、二次元です。さらに、ウイルスが飛んできて綱につきました。ウイルスは綱の中へ入っていきます。これで3次元となりました・  <br> X軸 Y軸 Z軸とそれぞれの直線が一点で交わりました。それぞれ2次元を隠し持っているので、交点では6次元隠れています。この6次元空間はカラビヤウ多様体としています。

ホーキング博士納得
  ブラックホールは物質が集まり、その重さで内部へ潰れて行った星をいいます。物質がカチンカチンに固まっている状態です。動きが取れないと思われます。所がブラックホールは熱をもっているのです。これは何故か、これがホーキングの出した課題でした。
 これへの答えが、ひも理論からでました。それは、多くのひもがブラックホールの底にあつまり、ヒモが重なってベルトのような状態になり、カラビヤウ多様体の中をすごいスピードで動き回る。これで熱が発生しているとの答えでした。博士は納得されたそうです。

巨大小惑星、115年後に地球衝突
 NASAの対策とは
 米航空宇宙局は、直径500メートルを超す巨大小惑星「ベンヌ」が、2135年9月22日に地球に衝突する可能性があると発表した。衝突の可能性は低いものの、衝突した場合の威力は、米国が現在配備している核弾道ミサイル群に匹敵するとしている。
 6500万年前にユカタン半島を直撃した直径約16キロの隕石は、恐竜を絶滅させ、全長約150キロのクレーターを残した。
 小惑星は、予想される衝突の何年も前であれば、小さな力を加えるだけで、簡単に軌道を変えることができる。一方、直前に介入しようとすれば多大な威力が必要になり、衝突が避けられない事態にもなりかねない。そうした事態を想定して、NASAは「惑星防衛調整局」を設置している。トップの肩書は「惑星防衛責任者」。同局はHAMMERのような衝突回避策について研究するほか、地球に接近する恐れがある小惑星の軌道研究も担う。
https://www.cnn.co.jp/fringe/35116569.html

M理論
 10次元の超ひも理論は、我々が認識できる4次元時空(3次元空間と時間)の中に見えない6次元が隠れているとの認識です。この6次元はカラビヤウ多様体と呼ばれています。
 ひも とは、振動するエネルギーのようなもので実態はありません。長さは一億分の一の一億分の一の一億分の一の一千万分の一程度だそうです。重力を伝える重力子は輪ゴムのような形状、です。他のひもひもはまさにひも状だと考えられています。ひも理論は万物の理論と呼ばれています。
 1995年、ウイッテンが5つもあった超ひも理論をを統一し、M理論として、11次元の空間を提唱しています。

天の川銀河
 我々の居る天の川銀河の最も古い星は132億年前に誕生していることが判りました。銀河は宇宙誕生の6億年後にできたことになります。
 さて、100億年前、原始の天の川銀河は「ガイア―エンケラドス」と呼ばれる小さな銀河と衝突しました。現在、天の川銀河の中に散らばる異質な青い恒星の集団は、吸収された小銀河の名残をとどめています。
 また、最近銀河面に垂直なうすい円盤状の星団が見つかっています。これも銀河の衝突の残骸と思われます。このように見てくると、銀河系の円盤のまわりに20本以上たなびいている星々の帯や、奇妙な運動をする恒星が見つかっており、我々の天の川銀河は貪欲に他の銀河を飲み込んできています。

天の川銀河とアンドロメダ銀河
 私達の天の川銀河から250万光年の距離に同じく渦巻銀河であるアンドロメダ銀河があります。天の川は直径10光年、アンドロメダは約25万光年で、兄貴分の大きさです。
 この二つの銀河は秒速122kmで互いに近付いており、やがて衝突することになります。40億年後に衝突し、行き過ぎたり戻ったりして、100億年かけて一つの楕円銀河になります。
 我々の太陽はどのようになるのかは予測できませんが、一度、天の川銀河から放り出されてアンドロメダに組み入れられるかも知れません。なお、太陽の寿命は後45億年~65億年程度と推定されており、銀河の衝突の最中に様子が変わってしまいそうです。
 人類は別の太陽を見つけて引っ越しをしておかないと、巻き込まれてしまうかも知れません。画像は37。5億年後に見える景色。

地球の水
地球は適度な重力があり、水蒸気を宇宙に逃がしません。火星は重力が9分の1などで水が留ま地球の水りません。氷としては存在できます。
 地球も出来た時は岩石が集まって猛烈な温度になっており、水分は飛んでしまっていたかも知れません。地球がある程度の大きさになった際は、熱くて水蒸気になっても留まったのでしょう。しかし地球の水は豊富ですから、水を持った彗星が地球に衝突して水を置いて行ってぃれたのでしょう。宇宙には水素や酸素が多くあり、水が沢山あっても不思議ではありません。彗星の水の同位体の比率が地球の水に似通っており、ルーツは彗星と思われます。
 なお、宇宙にはアルコールも沢山分布しており、その辺りをロケットが飛べば、酔っぱらうかもしれまん。

重力波の検出
 2020年6月26、太陽質量の23倍と2.6倍という高密度天体の合体による重力波が検出されました。後者の質量は中性子星にもブラックホールにも当てはまらず、不思議な正体として注目されています。質量が太陽の2.5〜5倍の範囲は、中性子星は理論的に存在できず、ブラックホールも観測されない「空白域」になっています。研究者はこの領域をコンパクト天体の「質量ギャップ」と呼んでいます。
 残念なのは、日本の重力波観測の飛騨の神岡鉱山のKAGRA(総工費は155億円)が2020年2月25日より観測を開始しておるにも関わらず、検出できませんでした。米穀とヨ^ロッパは観測に成功しました。臨時のメンテなどで休止していたのなら、やもうえませんが、感度が悪く観測できなかった場合、抜本的に見直す必要を感じます。

オールトの雲
  太陽から0.2〜1,6光年ほどの距離にオールトの雲と呼ばれる殻のようなものが想定されています。太陽系に落ちてくる小惑星や彗星のたまり場になっています。全部で1兆個ほどあるとされています。この中の大きい星が地球に命中すれば、大災害が起こります。生命が一掃されてしまうかも知れません。恐竜の絶滅もその一つです。地球の岩石などを調べると3500万年に一度のペースで大災害が起こっているようです。リサランドール博士によりますと、銀河系を取り巻いたダークマターの揺らぎがオールトの雲を刺激して星を落とすと推測されています。

加速膨張
 宇宙は物質の重力によって最後は一点に縮んでしまうと思われていました。所が、現在も宇宙は加速膨張を続けていることがわかりました。遠い銀河ほどより高速で離れていっており、その速度が年々増しているからです。これはダークエネルギーが斥力(重力の反対の力)を働かしていて、その内(1000億年より遠い将来)宇宙は引きちぎられてしまい、霧散してしまうと考えられていました。
 最近、日本の物理学者の大栗博司博士は、ダークエネルギーの斥力は減少していき、やがて膨張は止まるとの説をだされました。そうしますと、多くの物質の重力が宇宙を一点に縮めてしまうかもしれません。

熱平衡
 熱平衡でないということは、熱エネルギーに偏りがあること。例えば、太陽が真正面から当たる赤道付近と北極南極のように斜めからしか日が当たらない(季節によっては全然当たらない)場所では、気温や海水温度に大きい差ができます。自然はこのように均衡が崩れていると平均にする力が働きます。エントロピーの最大化です。あいまいさを増やすことです。熱いお湯と冷たい水を混ぜるとぬるま湯ができることです。ぬるま湯は熱水と冷水に自然にはわかれません。
 地球上でも熱分布を平衡にするため、熱帯からは台風がエネルギーを北や南に運びます。巨大な熱機関です。また寒波が襲ってくるのもその裏返しといえそうです。

空間の曲がり
 皆既日食の日、太陽の真後ろにあり、見えないはずの恒星(ヒアデス星団 釣鐘星 150光年)が写真に写っていました。これは太陽の近辺の空間がレンスの働きをして光を曲げているからです。空間の曲がりというのは我々にはイメージしにくいのですが、平面で考えますと、昔の吊った蚊帳(かや)の上にボールを投げると、ボールを底にするように蚊帳がへこみます。これが曲がりで、太陽の付近で起こっているのです。空間の曲がりはアインシュタインが予言し、日食で実証されました。1919年のことです。これでアインシュタインは現在の映画スター並みの人気者になりました。

スプートニク
 中学3年の時、徳島に住んでいて、ソ連が打ち上げた世界発の人工衛星スプートニクが夕空を点滅しながら飛んだのを見た覚えがあります。荘厳な感じを受けた印象が残っています。最近は眼も悪くして夕空を眺める機会が減りました。目の良い人が眺めたらおそらくは数個では止まらない光が見えることでしょう。
 最初の人工衛星を夜空で見た人は、二つの光が同時に飛んでいるのを目撃したようだ。それは人工衛星とそれを打ち上げるためのロケットが衛星を分離したまま後を追っていたそうです。

湯川秀樹
 原子は原子核の周りを電子が廻っています。原子核は、陽子と中性子が幾つかあり、その周りを電子が回って原子が出来ています。陽子はプラスの電荷を帯びていますが、中性子は電気的に中性です。陽子と中性子がラバラにならずに、それが原子核としてとどまっているのはなぜか、と言う疑問を解決したのが湯川博士の中間子理論でした。  糊の役割をする力も素粒子であったと言う発見は、素粒子物理学が、大きい広がりと深みを与えることが出来ました。
 1947年に宇宙線の中からπ中間子が発見され、湯川理論が裏付けられ、2年後にノーベル賞を受賞されました。
 素粒子の世界でも「子はかすがい」があるんですね。

朝永娠一郎
  池に小石を投げ込むとそこから波が輪になって大きくなっていき、やがて岸について消えてしまいます。小石の形、回転、水への入り方など色んな状態が考えられます。初期条件とか境界条件と言います。池の輪になった波の場合、初期条件に関わらず、同じように波が輪になって進みます。物理学で計算をしていきますと、答えが無限大になってしまうことが起こり、そこで行き詰ってしまいます。朝永博士は、このような場合、初期条件を横に置いておいて、問題を解く、乃ち波の輪を見つけることで、無限大問題を乗り越える方法を提案しました。「繰りこみ」理論といいます。1965年にノーベル賞を受賞しました。

物質の質量(重さ)
 物質で最も早く飛ぶのは光です。これより速く飛ぶ物質はありません。光の重さはゼロとされています。物質に質量を与えているものはヒッグス粒子です。空間にはヒッグス粒子がギッシリと満ちており、その間をぬって物質が移動します。光は抵抗を受けずに移動できますが、陽子などはあっちに当たりこっちに当たりとなかなか前へ進めません。遅いのです。これを質量が大きい、重い、という事です。
 質量は人気と同じようなものです。人気の高いタレントが歩いておりますと、ファンが沢山寄ってきて握手やサインを求められ、なかなか進めません。一方、普通の人は寄って来る人も少なくまたはいないので、さっさと進めます。場所によっては客引きがつきまといますが。

ヒッグス粒子
 重さを与えるヒッグス粒子を提唱したヒッグス博士は、2012年にヒッグス粒子の存在が確認された翌年にノーベル物理学賞を受賞しています。
 なお、ヒッグス博士の論文が物理学会誌に持ち込まれた時は、このようなアイデアとしては遅かったので却下される所でしたが、南部陽一郎博士が編集責任者を務めている時で、南部さんはヒッグスさんに、論文は受け取りが難しいが、ヒッグス粒子の存在を予言したら新規性がでるので採用できると教えたそうです。
 重さがマイナスの物質は光より速く飛ぶのでしょうか。そのような物質は存在しないのですが、時間を逆に、未来から過去に飛ぶ粒子ならそう見えるのかも知れませんですね。
 

ニュートリノ
 ニュートリノは宇宙が誕生してから1秒後には飛び始めていました。これを観測することで、誕生直後の宇宙の状態を調べることができるときたいされています。重力波を捕らえるよりは遥かに行いやすいのです。
 また、宇宙には大量に飛んでおり、我々の身体を毎秒数兆個が貫いています。まったく影響はなさそうです。
 宇宙から飛んでくる宇宙線は地球の大気にぶつかって、ニュートリノを発生させています。
 

カミオカンデ、ニュートリノ観測
 銀河系内で超新星爆発が起こった場合、ただちに解析を行い、超新星爆発を観測した時間、ニュートリノの数、方向等の情報を1時間以内に世界中にアナウンスすることができます。超新星爆発からの光はニュートリノよりも遅れて星の外に放出されるので、光を捉える天文台がその爆発を観測するのはスーパーカミオカンデの後になります。つまり、我々のアナウンスは、世界の天文台が爆発の瞬間を捕らえるための助けになること期待されています。
 また、重い星の超新星爆発の場合、ニュートリノ観測により、ブラックホールを直接見ることも期待できます。
 

反物質と宇宙
 電子などの物質は電荷を持っています。すなわち、プラスかマイナスに帯電しています。反対の電荷と寿命以外の性質が同じ物質を反物質と言います。中性子と言う粒子は電荷がありませんが、反中性子とは、それを構成するクオークの替わりに反クオークで出来ているということです。物質と反物質がぶつかれば、ともに消滅してエネルギーの光がでます。
 宇宙創成の頃、空間から同数の物質と反物質が出来、これらがひっついて光になり、また物質反物質に分れることが続いていました。反物質の寿命がチョット短いので、物質だけが徐々に増えて現在の宇宙になりました。
 

江崎玲於奈
 普通のダイオードは、電流が流れるとその強さに合わせた電流が流れますが、電流を強くしていきますと、ある所で急に流れなくなると言うダイオードのことをトンネルダイオードと言います。ソニーの前身である東通工の社員の江崎玲於奈と助手の黒瀬百合子が発見しました。江崎は1973年にノーベル賞を受賞しました。
 

小柴昌俊
  小柴昌俊博士が設計を指導・監督したカミオカンデは大量の純水を入れた観測装置で、岐阜県の神岡鉱山地下1000mに設けられました。地下に置いたのは、他の宇宙線の影響を避けるためです。原子の一つである陽子の崩壊を観測する目的でしたが、陽子の寿命が予想以上に長く、崩壊を観測できませんでした。
 しかし、宇宙や太陽からやってくるニュートリノは殆どの物質を通り抜けて来るので、カミオカンデで観測しようということになりました。
 太陽からやって来るニュートリノを観測中に、1987年2月23日に、カミオカンデは、16万光年離れた大マゼラン星雲で発生した超新星爆発 (SN 1987A) で生じたニュートリノを偶発的に世界で初めて検出しました。この発見で、2002年にノーベル物理学賞を受賞しました。
 ニュートリノの速度は光より僅かに遅く、先に上記の超新星爆発が起こっていることがわかっていたはずですが、間一髪のところで観測に成功しました。
 

9次元空間
 宇宙は一点から今日まで大きくなってきました。出来たばかりの宇宙は9次元空間でした。宇宙の膨張につれて6次元の部分は微小なまま取り残されて残りの3次元の空間部分が膨張して我々の宇宙になりました。
 超弦理論というものがあります。物質の最小単位が一次元のヒモであるとする学説です。ヒモが輪の形のものと三次元空間に囚われてゆらゆら振動しているものがあるそうです。この理論は10次元の時空間で成り立ちます。
 次元の数が多いのは、見えない次元が隠れているからといいます。例えば、一本の綱があります。綱渡りの人は前後にしか行けませんから1次元ですが、綱を歩いている蟻の場合は、綱を一回りできます。2次元目が見えてきました。綱に細菌が憑いていると、綱の中へ入っていきます。綱に前後と表面と内部がありますので、3次元になります。微小な次元が見えないところに隠れているのです。

6次元
 次元の話の続きです。一次元の線に二つの次元が隠れている話をしました。その線がxyz軸で合わさると2*3の6次元が隠れていることになります。3次元の一点一点の場所に6次元のカラビヤウ多様体と言うものが隠れていいます。ブラックホールの底にはヒモがギッシリ詰まっており、そこではヒモが固まってベルトのようになり、カラビヤウ多様体の中を走り回って、それでブラックホールに高熱が発生しているとのことです。
 図は6次元の多様体を2次元に写した模様です。
 

小林誠  益川敏英
 物質の最小単位とされた原子は、中心に原子核があり、その周りを電子が回っているということがわかりました。その原子核は陽子と中性子でできており、それらを結び付けている中間子があることを湯川秀樹博士が発見しました。1963年に、これらの素粒子もまたもっと基本的な粒子であるクオークからできていることがわかりました。陽子はアップクオーク二つとダウンクオーク一つからできており、これらをグルーオンと言う糊物質がひっつけていることがわかりました。中性子はアップ一つ、ダウン二つでした。中間子は電荷がさかさまのクオーク(反クオーク)などでできています。小林益川両氏は当時は3種類程度しか見つかっていなかったクオークが実は6種類あると予言しました。そうでなくては、クオークから素粒子全部を説明できないことを指摘したのです。世界が驚く予言でしたが、あいついて新しいクオークが発見されて、予言が証明されました。2008年、ノーベル賞を受賞されました。
 

梶田 隆章
 ニュートリノ振動の発見により、2015年にノーベル物理学賞を受賞しました。ニュートリノ振動とは、電子ニュートリノ・ミューニュートリノ・タウニュートリノの3種類のニュートリノが互いに変化することです。飛んでいる途中で変化することを、原子炉や太陽からのニュートリノを岐阜県の神尾鉱山跡に造られたスーパーカミオカンデによって1998年に発見したのが梶田隆章さんです。
 これにより、ニュートリノは光の速度ではないことがわかりました。光速なら変化している暇はないからです。すなわち、ニュートリノには重さがあるということが確認されました。 この発見により、築き上げられてきた素粒子論の標準模型が説明がつかなくなったそうです。また、外国の研究者からは、ニュートリノは日本を好いていると羨ましがられました。
 

天体までの距離の測り方
 天の川 銀河の星までの距離は、三角測量を使って測定します。半年後の地球は太陽の向こう側まで行っています。それに太陽そのものが銀河を回っており、半年で太陽ー地球の距離の25倍ほど動きますので、これも底辺に加えることができるでしょう。
 近くの銀河の場合、星の本当の明るさの判っている星の明るさを測定し、その差の分が距離ということになります。脈動変光星は星が膨張したり縮んだりする星で、明るさが判っている星です。
 遠くの銀河の場合、銀河の中にあらわれる超新星を基準の明るさとして使います。これも明るさが判っている星です。  もっと遠い銀河などは、遠ざかっているので、赤方偏移の度合いから距離を推測します。
 近い銀河から順番に測って梯子をかけるように遠い銀河を測っていきます
 

観測とは
 池の波は広い場所では小さくて穏やかですが、狭い所にいくと波の背が高くなります。つまり、波は狭い場所に閉じ込めると大きくぶれるという特徴があります。
 電子のような素粒子も波のような性質があります。小さい所に押し込めようとしますと、激しくぶれます。ですから場所を決めようとすると運動がわからなくなります。運動を決めようとしますと、場所がわからなくなります。
 この電子の位置と運動量を同時に確定できない事情は、2つの物理量の不確定性と呼ばれ、量子力学の基本的な性質となっています。物理量の不確定性は、「そもそも量子の世界での測定とは何か(観測問題)」と言う問題になり、観測することで対象の状態が変化しますので、どうなっているのか、なにが何やらですね。
 

重力波
 アインシュタインは重力波の存在を予言しましたが、それはあまりに微細で観測できないだろうとも予言しましたが、こちらははずれました。2017年のノーベル物理学賞は、「重力波」の観測に成功したアメリカの研究チームでした。
 観測できた重力波は約13億光年先で、2つのブラックホールが、お互い相手の周りを回りながら、速度を速めつつ近づいていき、最後には衝突・合体したときに出たものです。
 それぞれのブラックホールの質量は、太陽の29倍のものと、36倍のものでした。この2つのブラックホールが、お互い相手の周りを回りながら、速度を速めつつ近づいていき、最後には衝突して1つになったのです。1つになった天体の質量は、なんと太陽の62倍になりました。3つ分がエネルギーになり、一部が重力波になったのでしょう。
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星間分子雲
 星と星の間には,ガスと固体微粒子(星間塵)からできる星間雲がところどころにあります。 星間雲の中で最も密度が高く,水素が主に水素分子となっているものを星間分子雲とよびます。それでも水素分子の個数密度は 102 ? 106 立方cm 程度で,常温大気圧での個数密度 2.7×1019 立方cm よりも著しく低い。 しかし,大きさは0.01 ? 1光年,質量は太陽の質量の数10倍から数1000倍以上になっています。
 銀河系を見渡すと,質量が太陽質量の10万倍程度に達する巨大分子雲も数多く存在し,それらの総質量は銀河系の星の総質量の約1%程度を占めています。  星間分子雲は数10万年から数100万年の時間をかけてゆっくりと自己重力で収縮して,新しい恒星と惑星系のもとになる原始星と原始惑星系円盤を生み出します。 われわれの太陽系も,46億年の昔に,そのようにして星間分子雲から生まれたのです。

火星の大地に響きわたる謎の「脈動」
 NASAの火星探査機「インサイト」は、2018年11月に火星の赤道に近い広大な平原に着陸した。火星の大地には奇妙な脈動が響きわたり、活断層帯があり、今も磁場があってしかも振動していることなどが明らかになった。月に300回の地震があり、マグニチュードが3〜4程度、震源地はわかっていない。火星ではマグマが冷えて動いていないので、不思議な現象と言われている。
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海底下に「腸内並み」の微生物群集、火星にいる可能性も
 太平洋北西部の海底下265メートルを超える火山岩の中に、微生物の群集が見かったのは2013年だった。堆積物の下にあったものの、この火山岩はまだ若く、十分に熱をもっていた。おかげで海水がしっかり化学反応を起こしており、微生物はその反応からエネルギーをもらっていた。
 別の研究チームが、南太平洋の真ん中にある非常に古くて冷たい海洋地殻でも、微生物の群集を発見した。微生物がいたのは、火山岩の亀裂を埋める粘土の中だった。これらの微生物がどうやって生きているのかはまだわからない。

りゅうこつ座η
 「りゅうこつ座η(エータ、イータ)星」は、りゅうこつ座の方向約7500光年の距離に存在する連星で、太陽質量の90倍と30倍という2つの大質量星が互いの周りを公転している。恒星同士の連星としては天の川銀河の中で最も重いものの一つだ。1840年代に大爆発を起こし、全天で2番目の明るさにまで増光したことがある。連星の周囲には、このときの爆発で放出されたと思われる物質が鉄アレイのような形に広がっている。
 NuSTARは1万電子ボルト以上のエネルギーを持つ硬X線を集光できる初の天文衛星で、現在稼働している観測衛星では唯一、硬X線で高解像度の撮像を行える。このおかげで今回、硬X線源の位置を5秒角以内の精度で突き止め、確かにりゅうこつ座η星自身から硬X線が出ていることが明らかとなった
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