鞍馬山の神々
京都市左京区鞍馬本町 mits-mo

仁王門

交通
京福電鉄鞍馬線鞍馬駅 徒歩10分

尊天信仰
千手観世音菩薩 月輪
毘沙門天王 太陽
護法魔王尊 大地

 上記の精霊と自分自身が合一する為の要点は、次の信仰の三ヶ条と言う。
一 非行悪口を慎み、己を完成する。
二 真実誠心を以て、世に尽くす人となる。
三 尊天より御力を戴きて、強き信念を確立する。

 基本思想は「山川草木悉有仏性」にあるが、生活即信仰をモットーとしている山なので、寺院と言う雰囲気が少なく、深山の手入れの良い神社の雰囲気がある。都会的な山岳信仰と言えるのかも。

護法境に鎮座する 吉鞍稲荷神社「吉鞍稲荷大明神、茶枳尼天尊」

護法境鎮座 鬼一法眼社

牛若丸に「六トウ三略」の兵法を授けた武芸の達人、一条堀川に住んでいた陰陽師

護法境の魔王の滝 右上に祠 その祠の中には魔王尊石像が安置
 

歴史
 『鞍馬蓋寺縁起』(あんばがいじえんぎ)では、鑑真和上の高弟・鑑禎上人は、宝亀元年(770)が鞍馬山に登山、毘沙門天の助けを受けて降臨を確信、草庵を結びその毘沙門天をお祀りした。
 後の延暦十五年(796)、藤原伊勢人は日頃信仰する観世音を奉安しようと鞍馬山に登った所、鑑禎上人の草庵の毘沙門天を発見、草庵を堂舎に作り替えて、毘沙門天と千手観世音を合わせ祀った。
 それぞれに鞍を背負った白馬が案内しているので、鞍馬山と呼ぶようになった。

 その以前の太古から鞍馬山は大地の力−護法魔王尊−の力に満ちた所であった。この護法魔王尊は650万年前に、人類救済の使命を帯びて金星から天降ったと伝承されています。
 この山は2億数千年前〜7千万年前の地質で成り立ち、素晴らしい波動を発している霊山だと言う。その霊山の波動を護法魔王尊としたのであろう。大地の「気」を「金星」からとの発想は何だろう。地球とともに惑星の仲間と判っていたのかも知れない。

本殿

本殿正面の磐座

本殿左の閼伽井護法善神社
 

木の根道

大杉権現社
 

 鞍馬と大杉
 享保年間の江戸で流行神となった神に大杉明神がある。元社は茨城県稲敷郡桜川村に鎮座する大杉神社と言う名社で、これが東京都葛飾区の香取神社に突如として飛来、爆発的に信仰を集めた。 『民族神道論』宮田登著によると、『月見堂見聞集』には、「安葉大杉大明神、悪魔払いふてよいさ、世がよいさよいさ」との踊り歌が歌われたとか。 この安葉は常陸国安馬大杉大明神と称されていた安馬で、別に阿波とも記されている。『常陸国風土記』に安婆島との記載がある。古い名前。
 先に『鞍馬蓋寺縁起』の訓を「あんばがいじえんぎ」と紹介したが、鞍馬はアンバである。その奥宮が大杉大明神。
 鞍馬と常陸を結ぶのには源義経につくした天狗の様相の常陸坊海存の力を借りる。文治年間(1185〜)海存は社僧として稲敷郡桜川村阿波の安穏寺と隣接する安馬大杉大明神に仕えていると言う。神社の名が名で海存が仕える気になったのか、仕えてから大杉大明神を持ち込んだのか、現在の所不明。

義経堂

義経は奥州衣川で若い命を散らせましたが、御魂はなつかしい鞍馬山に戻り、遮那王尊として護法魔王尊にお仕えしていると信じられ、ここにお祀りしてあります。

魔王殿

魔王殿の祠と磐座

お祭り

10月22日の夜 鞍馬の火祭は由岐神社の祭り。

参考 京都山城寺院神社大事典(平凡社)、ガイドブック鞍馬山(鞍馬寺)

山城の神々

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