阿遅速雄神社(あじはやお)
大阪市鶴見区放出東3丁目 its-mo


鳥居と拝殿




交通案内
学研都市線放出(はなてん) 東へ200m



祭神
阿遅鋤高日子根神 配 八劔大神


由緒
 式内社。創立年代は明らかでない。古代は阿遅経宮(あぢふのみや)又は浦明神と称された。のち八劒大明神と称えられた。
 由緒書きによると、鴨の阿遅鋤高日子根神は当地に降臨されて土地を拓き、民に農耕の業を授けたという。 民人は、その御神徳を尊び摂津河内の国造神として、この地の守護神として斎きまつると云い伝へられる。とある。
 また、草薙の剱についての由緒は当神社の資料は以下の通り。
 天智天皇(三十八代)七年十一月、新羅の僧、道行尾張国熱田宮に鎮り座す御神劔、 天叢雲劔即ち草薙御劔を盗み出し、船にて本国へ帰途、難波の津で大嵐に遇ひ流し流 され、古代の大和川河口であった当地で嵐は更に激しく、 これ御神罰なりと御神威に恐れをなし、御劔を河中に放り出し逃げ去りたり(之が地名となり、放手 放出 今 「はなてん」と云ふ)。 後この地の里人、この御劔をお拾ひ申上げ、大国主命の御子  阿遅鋤高日子根神御鎮座の此の御社に合祀奉斎すること数ケ年後 草薙御神劔の御分霊は永遠に当御社に留まり座し、奉斎す。 御神劔は天武天皇(四十代)の皇居、飛鳥 の浄見原宮に御うつし申上げ更に朱鳥元年六月、皇居より尾州熱田の御社に奉還し給ひ、永へに熱田神宮に鎮り座します。以上

本殿

 賀茂の血筋を受け継いでおられる仲嶋様から頂いたコメントを掲載します。
 味鋤高彦尊を祭神とするが、阿遅速雄尊は祭神の御子神である。高鴨神社の古文書にも味鋤速雄尊として摂社に祭祀された記録がある。 ここは高鴨神社から発した葛城川の水が大和川に合流して旧河内潟湖に注ぐ旧河口の高台に位置し、一本の水路で接続していた。 阿遅速雄神社は阿遅速雄尊の一族がこの地に港を開いて、父祖神を祭ったものである。本来は高台にあったものを、JR線開設に当たりやや低い現在地に移転したと言う。
 壬申革命の後、初代土佐国司となった賀茂朝臣蝦夷は、ここを拠点に伊予西条の熟田津まで定期航路を開設、石鎚山系を越えて土佐に到達する国道を開削した。
 その往還船の一つが、熱田神宮から盗難にあった草薙御剣を百済船から奪還し、当社に御剣を安置した。 朝廷は事件を不問とし、逮捕した百済人も処罰せず、御剣も放置された。
 その後、天武帝が重病に倒れた時、賀茂蝦夷朝臣が改めて土佐大神の名をもって、皇室返還を奏上、ついに熱田神宮に御剣は返納されたが、その直後に天武帝は崩御された。
以上。 

お姿
  上町台地の北側の森の宮から東に低地微高地が門真の方に続いている。その北側のかっては海辺に鎮座していたと思われる地形である。 浦明神と呼ばれた由縁であろうか。
 本殿背後の社叢も大阪市内の神社とは思えないほど密集している。社前の境内にも木々が多く、見事な楠木は神木である。
 境内の手入れも行き届いた落ち着きのある神社で、心が洗われるような気持ちになる。近所の方々がよく詣っている。

 当社から西に1kmの放出西1丁目のバス停の前に御旅所がある。

神門と楠木    楠木を祀る
 



お祭り

 夏祭宵宮  7月17日
 夏祭    7月18日 菖蒲狩祭 阿遅速雄神社夏祭りに高鴨神社の雅楽部のメンバーが出張する交流もはじまっている。
 例大祭  10月20,21日


大将軍社   お陰灯籠(江戸末期のお陰参り記念)
 

平成祭りCD 阿遅速雄神社


御祭神創祀の御由緒
阿遅鋤高日子根神は本地に降臨せられ給ひ土地を招き民に耕耘の業をさづけ恩沢をたれ給ひ、父神大国主命の神業を補翼し給ふ。郷民その御神徳を忍び摂津河内の国造神として、御神恩をお慕ひ申上げ、神いませし此の地の守護神として斎ひまつると云ひ伝へたるものにして・・・・・この宮を阿遅速雄神社と称す。古代は阿遅経宮又は浦明神と称され、のち八劒大明神と尊称す。
 天智天皇(三十八代)七年十一月、新羅の僧、道行尾張国熱田宮に鎮り座す御神劔、天叢雲劔即ち草薙御劔を盗み出し、船にて本国へ帰途、難波の津で大嵐に遇ひ流し流され、古代の大和川河口であった当地で嵐は更に激しく、これ御神罰なりと御神威に恐れをなし、御劔を河中に放り出し逃げ去りたり(之が地名となり、放手 放出 今「はなてん」と云ふ)後この地の里人、この御劔をお拾ひ申上げ、大国主命の御子 阿遅鋤高日子根神御鎮座の此の御社に合祀奉斎すること数ケ年後 草薙御神劔の御分霊は永遠に当御社に留まり座し、奉斎す。御神劔は天武天皇(四十代)の皇居、飛鳥の浄見原宮に御うつし申上げ更に朱鳥元年六月、皇居より尾州熱田の御社に奉還し給ひ、永へに熱田神宮に鎮り座します。右御由緒あらたかな当御社に御鎮座の八劒大神に、中御門天皇(百十四代)享保八年、御神階正一位を贈られ、八劒大明神と尊称す。

  以上

神奈備にようこそ