延喜式神名帳 神社一覧


式内社数解
天神地祇惣三千一百卅二座 社 二千八百六十一處  前 二百七十一座

大 四百九十二座 (三百五十三處)
三百四座(並預祈年。月嘗等祭之案上官幣。就中七十一座預相嘗祭。)
一百八十八座(並預祈年國幣。)

小 二千六百
四百卅三座(並預祈年案下官幣)
二千二百七座(並預祈年國幣。)


目次

宮中京中
宮中神 卅六座 京中神 三座

畿内神 六百五十八座 大 二百卅一座 小 四百二十七座
  山城大和河内和泉摂津

東海道神 七百卅一座 大 五十二座(就中 十九座。預月次。新嘗等祭。) 小 六百七十九座
  伊賀伊勢志摩尾張参河遠江駿河伊豆甲斐相模武蔵安房上総下総常陸

東山道神 三百八十二座 大 二座(就中五座。預月次。新嘗祭案上。)小 三百
  近江美濃飛騨信濃上野下野陸奥出羽

北陸道神 三百五十二座 大 十四座(就中一座月次新嘗。)小 三百卅八座
  若狭越前加賀能登越中越後佐渡

山陰道神 五百六十座 大 卅七座(就中一座月次新嘗。)小 五百廿三座
  丹波丹後但馬因幡伯耆出雲石見隠岐

山陽道神 一百 大 十六座(就中四座月次新嘗。)小 一百廿四座
  播磨美作備前備中備後安藝周防長門

南海道神 一百六十三座 大 廿九座(十座月次新嘗。就中四座相嘗。)小 一百卅四座
  紀伊淡路阿波讃岐伊豫土佐

西海道神 一百七座 大 卅八座 小 六十九座
  筑前筑後豊前豊後肥前肥後日向大隅薩摩壱岐対馬


表示方法  論社とは式内社の後裔社候補、自薦他薦がある。

式内社[昔風フリガナ] 所在不明 ・・・ 学説として比定する論社が見いだせない。
論社1[今風ふりがな]「祭神 配 相殿祭神 合 合祀祭神」簡単な由緒など。現住所 リンク先

平成祭礼データ(CD版)に記載の由緒


論社2「?」 ・・・小生が祭神を調べていない。
論社3 未確認 ・・・ 小生が存在を確認できていない。



 延喜式50巻は905年に編纂が開始された律令や格の細則です。神名帳は巻9、10にあり、天皇の名で行う祈年祭である豊作祈願の行事の際、供物を下賜する3132座の神々の一覧です。

 伊勢神宮を頂点として官幣社(名神大社、大社、小社)、国幣社(大社、小社)と神々を序列体系化しています。選定に当たっては、おそらく地方氏族の猛烈な運動があったのでしょうが、選定には大和朝廷の発展の歴史段階にも関わっている地域の神社が優先されていると見ることができます。

 相甞祭の官幣を受ける大社六十九座は、大和31、摂津15、山城11、河内8、紀伊4座です。
新甞祭の官幣を受ける大社三百四座は、京中3、大和128、山城53、摂津26、河内23、伊勢14、紀伊8、近江5、播磨3、阿波2、和泉、伊豆、武蔵、安房、下総、常陸、若狭、丹後、安芸がそれぞれ1座です。大和朝廷の勢力範囲の拡大経過と見ることができるでしょう。
 熱田神宮、出雲大社、宗像大社、宇佐神宮等歴史上の多くの重要な神社でも官幣を受ける神社になっていません。

 また、讃岐の金比羅神宮、備前の吉備津彦神社、備後の吉備津神社、紀伊の熊野那智大社などの様に、当時明らかに存在していても式内社の選に漏れている神社が多くあります。式内社は当時から存在しており、朝廷からも重要視はされていた事は間違いありませんが、それ以外の神社でも由緒深い神社が多くありました。それを式外社と言います。

 延喜式編纂当時には、既に修験道、仏教の普及を見ています。有力神社であっても、殆ど寺院化している、もしくは、僧侶が祭祀を牛耳っていた様な所は、神社とは認識されていないようです。 また、神社の格付けについても運動が行われたようで、想像ですが、本来の格付けは記載順であったが、後に格上げされた場合、記載順までは変更せず、格付けを追加記入したようです。 神祇官はそのような運動に対して、かろうじて面子を保ったと同時に、後世に、運動によって乱された痕跡を残したのでしょう。

 また、神社にはある程度の設備を持ったものとされているようで、ゴトビキ岩の神倉神社、花の時は花をもって祭ると記載の花窟神社などは、 岩を御神体としてお祀りする訳で、現在では社殿はあるのですが、とってつけたような気がします。 どうやら、社殿を持たない神社は延喜式内社にはならなかったようです。滝が御神体の飛流神社(那智)もそう言う分類かもしれません。


参考資料
国史大系(吉川弘文館)
日本の神々(白水社)
神社名鑑(昭和39年 神社本庁)
歴史散歩シリーズ(山川出版社)
平成祭礼データ(神社庁)
日本「神社」総覧(新人物往来社)
大阪府神社史資料(昭和八年)
大阪府神社名鑑(昭和四十六年)
兵庫県神社誌(昭和十三年)
和歌山県神社誌(平成7年)
三重県神社誌(平成五年)
歴史地名辞典(角川書店)
お伊勢まいり(崇敬会)
古代神社史論攷 池邊彌(吉川弘文館)
式内社調査報告25巻(皇學館大學出版部)
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